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2019年05月23日

☆下を見るとき、上をみるとき ☆

㈱内田建設 朝礼 令和 元年 5月24日(金)

     テーマ  下の方から見れば、よく分かる

◆ 菜根譚に学ぶ  ◆


 おはようございます。毎朝、朝礼で人間関係や人間観察のお話をみなさんもご存じの 論語、韓非子、老子などの中国古典を用いてのお話をしておりますが、これは2000年以上経った現在であっても、未だに新鮮に感じられる書物として多くのリーダーが、今を生き抜くためのヒントを掴もうとして悩みに悩み抜いて人間学の基礎である書籍を手にしてしまうのが実情なのだと思います。

2000年、2500年という長い時を経ても 人間の本質をついていることが書かれている書籍だからこそ、現代の目まぐるしく 激しい変化の中で 難しい人間関係をうまく切り抜けていくために求められて止まないのでしょう。
しかし、2000年、2500年もの長い時間をさかのぼって 探さないと書籍が他にないのか?と考えてみた時、今から400年程前に 洪自誠という人の書かれた中国古典に『 菜根譚 』という書物がございました。
 勿論、過去の朝礼にて洪自誠の『 菜根譚 』の中から花は半開、酒はほろ酔い などといくつかを 紹介したことはございますが、本日は この書籍より、下を見るとき、上を見るとき というのを紹介してみたいと思います。
 
『 卑きにおりて 後に高きに登るの危うきを 知る。暗きに処りて後に明るきに向かう甚だあらわるを知る。』という一説がございます。意味を申し上げますと

 これは、「上から下を見ていては3年経ってもわからないことが、下から上を見れば3日でわかる 」と解説しています。

 人の上に立たなければ ならない というリーダーにとって 最も必要となる資質は、人を見る目と的確な状況判断ですが、意外とこれが満たされていないことが多いようで、あれほど優れている成功者が、何であの程度の取り巻きに丸め込まれているのかと目を疑うことも世の中には、多くあるようです。
 それというのも、固定した立場だけからものごとを見ているため、いろいろな見方、いわゆる複眼的視点を持てないからなのだと思います。
 これを、例えば社長が新入社員や下請け業者、またお客様の立場に身を置いて仕事の実態を見直すことが出来たらどうなるでありましょうか。

能楽で有名な 世阿弥は、自らが 舞台で演じている姿を、もう一人の自分が客席からじっと見つめてみるようでなければ本当の芸は出来ないといっております。このことを『 離見の見 』という 言葉で表現しておりますが、このように  ときには見たくないものも、はっきりと見据える心の修行 が望ましく、下の方から見れば、物事がよく分かることを『 菜根譚 』から学ぶことが出来ます。
菜根譚は、成功者をも世捨て人をも捉え、読んだ人がこれは、もしかして自分のことをいっているのではないか?と感じる事があると言われておりますので、我々凡人が読むのには向いているのかもしれません。

しかし、誰しもが 満腹の時にいかなる御馳走も受け付けないように、また、空腹の時は粗食であっても何物にも代えがたい御馳走になるように、それぞれの人が、読み方によっては、それぞれの心境によって変化すると言われております書物です。菜根は堅くて筋が多い、これをかみしめてこそ、物事の真の味わいがわかる ということから名のついた『 菜根譚 』です。
私の解説でよければ、よりよい人生を送るために、朝礼を通じて 今後も少しずつお話をしてまいりたいと思います。



Posted by 内田建設 at 23:12│Comments(0)
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