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2020年07月01日

◆ 鳴かず飛ばずの語源 ◆

㈱内田建設 朝礼  令和 2年7月1日(水)

     テーマ   賢者たちの言葉に学ぶ

◆ 鳥在り丘において、三年飛ばず鳴かず ◆

 おはようございます。本日より7月、別名文月(ふみづき)といいまして思い思いの願いごとを短冊に書いたり、書道の上達を祈る風習が、文月となった由来だともいわれたり、稲穂が育つ様子になぞらえ、穂含月から転じたという説もございますが、いずれにしましても豊かな 日本の四季において、暮らしに合った読み方、意味、由来を知り社会を上手に生き抜いていけたらと感じております。

 さて、本日の鳥在り丘において、三年飛ばず鳴かずというタイトルに掲げました故事成語ですが、今ではまるでうだつのあがらない人のことを「鳴かず飛ばず」などといっております。
 このお話は、春秋時代の楚の荘王(紀元前七世紀)が即位後三年、全く政治を見ることなく日夜遊びにうつつをぬかしていました。しかも、「諫める者があれば、その者を死刑に処する」とお触れまで出したのです。
それでも、忠臣はいるもので 伍挙という人物が現れ王様に対して謎かけをしたというのです。
『 丘の上にこんな鳥がいました。三年間、鳴くこともせず飛ぶこともありません。この鳥は一体どんな鳥だと思われますか? 』すると、王はそれに答えて「三年も飛ばない鳥は、いったん飛んだら 一気に天の果てまで飛んでいくからさ。いったん鳴けば世の中の注意を集めることが、できるからさ」荘王はこのようにいうと再び、酒と女にあけくれたのでした。そこに臣下の蘇従がやってきて王様である荘王を再び、諫めるのでしたが、王は『余を諫めるものは死刑だと言ったであろう』と責めますと、蘇従は、『 私が死んで、それで王が進言を受け入れて目を覚ましてくれるのならば、死刑になろうと本望です。』と責めますと、荘王は、よくぞ言ってくれたとばかり、これまでの暮らしとは生活態度を一変させ、伍挙と蘇従を政務につかせ、政治に励みます。こうして、大幅な人事の刷新をはかり改革に乗り出していったので、楚の国の人々は喜んだというお話です。

日本で鳴かず飛ばずといわれますと、期待を持って始めたのに、ずっとうだつがあがらない様を言っておりますが、この言葉の本当の語源である『 史記 』の物語に出てくるのには、実力を養いながら活躍の機会をじっと待つ 雌伏の時を言っているのだ ということをしっかり覚えておくとよいでしょう。



Posted by 内田建設 at 17:24│Comments(0)
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