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2018年04月06日

他人の痛みを思いやるリーダーシップ

㈱内田建設 朝礼 平成30年4月6日(金)

     テーマ   西郷隆盛と坂本龍馬

    ◆  他人の痛みを思いやるリーダーシップ  ◆

 おはようございます。一昨日は西郷隆盛の人生訓の中から克雪、和雪、利雪の論理について お話しをいたしました。そして、昨日の朝礼で誰がためにというお話しをさせていただき、利他の心を養いましょうというかたちで締めくくりましたが、今日は 西郷隆盛に並び称される幕末の英雄に坂本龍馬という男のリーダーシップの発揮の仕方と西郷隆盛の違いなどを比較してお話し致します。

 龍馬が活躍した時代は、もうこのまま日本が消滅するのではないかというくらいの危機的状況にありました。幕府は老朽化でボロボロ、長州は幕府を敵に回して四面楚歌、薩摩は迷走状態でした。そういう中で幕府の勢力をしのぐには、この薩摩と長州が手を結ぶことを考えて薩長同盟を実行に移したり、大政奉還のビジョンを示したり、またそれを実現していく等、次から次へと日本の進路を考えて行動を起こしていったのが、坂本龍馬だったのです。

坂本龍馬の家は郷士であり、商人であったが元をたどれば、山内一豊が土佐の国主になったときに追い払われた長宗我部元親の部下であったため身分差別で苦しめられていたのだそうです。
その当時、武士以外の層がその実力を認められる道は三つしかありませんでした。

一つ目は、剣術の面で優れた力量を示す。二つ目は、学問の道で才能を示す。三つ目は、お坊さんになって偉くなるかということでしたが、坂本龍馬は友人対して「今、何が大事か」と問いかけて、武士になり剣術の道を極める事が、最も大事だといい、龍馬自身も最初、剣術の道を選び江戸で有名な千葉周作の弟が経営している千葉道場に入って「免許皆伝」となっていったのです。
そこで、龍馬に刺激を受けていた友人たちもせっせと剣術を学んでいき ある程度、剣術の技量が高まっていくと、龍馬は友人対して「今はこれの時代だ」といって 高杉晋作からもらった ピストルを出したそうです。
また時を経て三たび、この友人が龍馬に会ったときに「今はこの時代だよ」と言って懐から出したのが「万国公法」だったと言います。龍馬自身は、常に前向きであり、次から次へと 変わり身の早さと先見の才を持ち自身を変えながら、前へ前へと先に歩いて行くことが出来たのですが、中には、あいつだけが我々をさしおいて、一人でスタスタと先を急いでいるけれども、どうなんだ。自分一人だけ、先を歩いている龍馬のおかげで俺たちは、時間とエネルギーをずいぶん無駄にしてしまった。 あの野郎、殺してしまえ、と先を歩きすぎたために置き去りにした仲間からも命を狙われることもあったそうです。

 そこへいくと西郷のリーダーシップは、全然 違い他人の痛みを 思いやったリーダーシップであったといいます。
その他人の痛みを思いやる西郷の優しい一面に次のようなエピソードがありまして 元治元年(1864)二月、二度目の島流しを解かれて、鹿児島へ帰国する召還船がやってきたのですが、そのとき西郷は赦免使の吉井友実に、「俺だけ帰るわけにはいかん。喜界島によって村田新八も連れて帰りたい…藩が許さんときは、おい(俺)がまた島へ戻る…」こう言って村田を連れて帰ってきたのです。「俺の罪が赦されるのであれば、俺のとばっちりで流刑になった村田新八も赦されるのが当然ではないか」というのが西郷の言い分で、これが死を賭けた西郷の友情なのです。
村田新八も明治十年西南戦争の際、立身出世を絶ち西郷に殉じて城山で戦死しました。西郷という人は、一生傷つきながら、その痛みをこらえつつ、俺も痛いんだから他人も痛かろう、という考えで坂本龍馬のように、けっして他人を置き去りにすることはしなかったのです。
西郷の自己の磨き方というものは、常に一進一退で一歩進んではまた一歩下がる。あるいは一歩後退二歩前進、一旦引き下がるけれども、二歩前に出るという生き方をした人であったのです。そして西郷がよく口にしていた言葉が、「誠の道を歩む」ということと、「人事を尽くす」という言葉だそうです。

如何でしたか、世界の海援隊の坂本龍馬に対して、天を敬い、人を愛すという西郷の生き方、危機管理においては「置かれた場所で、最大の力を尽くす」その力の尽くし方は 無計算で、そういうことをすれば こうなるだろうというような計算はしない。無欲の全力投入の姿勢が他人の心を打ち、人の心を動かしていくのではないのでしょうか? 「人事を尽くして天命を待つ」という、言葉がございます。その尽くす人事というのが、「 誠実一途 」であり「 身近なところから、成し遂げていく 」という西郷の姿勢こそが、時代は違っても、今自分たちに必要とさせるリーダーシップだということを物語っております。



Posted by 内田建設 at 11:16│Comments(0)
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